Mind-Edit
(心の編集室)

15.「“〜ねばならない。〜であるべきだ”からの脱却」


前回、前々回は、人間の持っている2つの心、潜在意識と顕在意識について説明しましたが、これからお話していく心理療法には、大きく分けて潜在意識に働きかけていく療法と、顕在意識に働きかけていく療法の2つの療法があります。

ただし、これから説明するそれぞれの療法については、専門書などで説明されている基本的なセオリーに基づいているのですが、細かい部分は私が多くのクライアントさんと接してきた経験や、スタッフの人たちとの話し合いなどから導き出した、独自のものであると理解してください。

実際に私たちだけでなく、ほかのカウンセリングルームであっても、心理療法の細部についてはそれぞれに独自のやり方を持っているはずですので、どこへ行ってもまったく同じ療法を受けられるということはないと思います。

では、最初に顕在意識に働きかける療法から説明していきましょう。

顕在意識に働きかける療法の中でまず上げられるのは、「認知療法」または「認知行動療法」というものがあります。これは私たちカウンセラーの働きかけで、クライアントさんも一緒に行っていく療法になります。

この療法をひと口で説明すると“〜ねばならない。〜であるべきだ”という考え方からの脱却ということです。

きちんとした家庭環境で育った人ほど、“〜ねばならない。〜であるべきだ”という思想を強く持つ傾向があります。

たとえば、「人を傷つけるのはいいことですか? それとも悪いことですか?」とクライアントさんに聞くと、ほとんど100%の人が「悪いことです」と応えます。

しかし、「まったく人を傷つけないで生きていくことはできますか?」と聞くと、「それはなかなか難しいでしょうね」という答えが返ってきます。

つまり、その人の頭の中には「人を傷つけるのは悪いことだ」という考えがあるのに、現実問題としては人を傷つけてしまうことは、多分にあるということなのです。そして、その矛盾から、その人の葛藤やストレスが生まれてくるわけです。

そこで、私たちは“〜に越したことはない”という考え方に切り換えていきましょう、と提案します。

たとえば「人を傷つけないに越したことはない」、「仕事ができるに越したことはない」、「人から好かれるに越したことはない」、「人から信頼されるに越したことはない」、「誰にも迷惑をかけないに越したことはない」といったように、・・・

“〜ねばならない。〜であるべきだ”という考え方で自分をガチガチに締め付けてしまうと、まったく心にゆとりのない状態になってしまいます。

そこで、“〜に越したことはない”と考えて自分への締め付けを緩めてあげて、心のゆとりを持てるようにするわけです。

他人にあなたの感情や意志、情緒などが伝わる要素としては「言動」、「表情」、「態度」の3つポイントがありますが、仮にあなたがこの「言動」、「表情」、「態度」の3つで表したとしても、受け止める相手によっては、うまく伝わらない場合もあるわけです。

そうなると、すべての人にあなたの気分や気持ちを分かってもらおうということは、かなり難しいことになってくるのです。

ですから、まず“〜ねばならない。〜であるべきだ”という考え方からの脱却ということが、私は認知療法の基本になると考えています。

人は、できないことをずうっと思い悩んでいると、それは自分自身でストレスを作り出している結果となります。そこで、それを緩 めてあげると、逆に心にゆとりが生まれてくるのです。「やっぱり、みんなに好かれるのはムリだよなー。でも、自分と気の合う人、自分を理解してくれる人とうまくやっていければいいかなー」ぐらいに考えていると、ずいぶんと生き方がラクになってくると思います。

あなたは、「部下全員に信頼を得なきゃいけない」とか、「自分の子供は人並み以上に育てなければいけない」とか、「人よりいい 成績を取らなければいけない」とか、「すべてを完璧にやり遂げなければいけない」とか、「責任を果たさなければいけない」とか、「多くの人に尊敬されなければいけない」等など、自分自身に必要以上なプレッシャーをかけていませんか?

そういう人は気持ちを変えて、“〜に越したことはない”と考えてみてください。そう考えるだけで心にゆとりが生まれて、ラクな気分になってくるはずです。

次回は「100点主義に幸せは来ない」です。

ストレスを感じたら、”ストレスポイポイ”CDでストレスをポイッと捨てちゃいましょう。


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