Mind-Edit
(心の編集室)

16.「100点主義に幸せは来ない」


前回から顕在意識に働きかける心理療法として「認知療法」、または「認知行動療法」と言われる療法の話をしていますが、

本来の「認知療法」というものは、

“自分がとらわれている
  ネガティブな感情が生まれてくるまでの経緯は
    どんな考え方だったのか?”

ということを、自分自身で分析して書いてもらうものなのです。

  • 自分自身が、なんで辛いのだろう?
  • なんで悩んでいるのだろう?
  • なんで悲しいのだろう?
  • なんで不安なんだろう?
  • なんでイラだっているのだろう?

といったようなことの原因や理由を書いてもらい、

“それに対して別の考え方、捉え方ができないのか”

ということを見つけ出してもらうのです。

しかし、そのようなことを紙に書き出すところまではできても、クライアントさんが気持ちを切り換えて、それを実行できるのかという面では、実は非常に難しいものがあります。

そこで、その代わりに、私はクライアントさんに

「自分のできている所、いい所に視点を当てることが大事ですよ」というアドバイスを行います。

たとえば、70点という点数をみなさんはどう評価するのでしょう?

私のカウンセリングルームに来られる多くの方、またはストレス過多の方は、取れていない30点の方に焦点を当ててしまうのです。

この考え方は、100点満点からの減点主義ということになります。

しかし、心理学の世界では
  「100点主義(完全主義)に幸せはない」
という考え方があるのです。

つまり、すべての項目、すべての面で100点を取り続けることは、とうてい不可能なわけです。ですから100点を基準に考えていると、たとえ70点を取っていたとしても足りない30点について思い悩んでしまうことになります。

そこで発想を変えて、0点からの加点主義で考えいくと70点は十分に合格点だ、という捉え方ができるわけです。

このように、できていない部分に焦点を当てるのではなく、常に自分のできたところに焦点を当てていこう、ということでネガティブシンキングをポジティブ・シンキングに変えていくことができるのです。

もちろん、できていない部分を認識することも時には必要ですが、

あくまでも
できている所を見過ごさない
ことが「認知療法」では重要なことと言えます。

そのためには自分のいい所、できている所をちゃんと自分で認識できているのか、ということが大事なのです。そのことがちゃんと認識できていて、その上で加点主義の考え方ができるようになれば、あなたのストレスはかなり緩和されてくるでしょう。

よく私がクライアントさんに、自分の体験談としてお話するのは、私が16歳から腎臓と胃潰瘍、十二指腸潰瘍で入退院をくり返した時の経験です。

もちろん当時の私は心理学を知らなかったので、16、17歳で胃潰瘍になったという現実からいえば、私の心の中には

  • 「なんで僕だけがこんな病気で入院しなきゃいけないのか」
  • 「大学受験の勉強ができない」
  • 「手術はいやだ」
  • 「おいしいものが食べたい」

といった感情が渦巻いていました。

ただし、たぶんこういった感情は私と同じ境遇になった人なら、誰でも大なり小なり感じる感情だと思います。

そして、こういった感情からは怒りと不安しか生まれてこないわけです。

怒りは

  • 「なんで僕だけが〜」
  • 「おいしいものが食べられない」

といったことです。

また

  • 「受験勉強ができない
  • 「手術が怖い」

が不安といえます。

ところが、こんな怒りや不安ばかりを常に感じている状態では、私の病気はよくなるはずがありません。

胃潰瘍は代表的なストレス病といえますから、私がこういった感情を持っている限りはストレスが高まってしまい、病気がよくなっていく可能性を潰してしまうわけです。

しかし、もし当時の私が心理学を知っていたのなら、入院生活のいいところを探していく方向に考え方を切り換えていたでしょう。

たとえば、
「同じ病院に入院しているいろいろな年代の人と話すことができた」

そして亡くなってしまう方もいらしたので
「生きていることのありがたさを切実に感じることができた」、

また
「自分は治る病気でよかった」
ということです。

それからこれは当時の私に取ってはいちばん重要なことだったのですが、まだ初々しい少年だった私は
「非常に看護婦さんにモテた、かわいがってもらった」
といういい思いをしていたのでした。(本当ですよ!!!)

こういったいい面にスポットを当てていると、怒りも不安もそれほど高まってくることはないわけです。

通常、病気で入院しているとなれば、イヤなことばかり考えてしまうのは当たり前と言えます。

しかし、そういう感情は病気にはいい影響をもたらさないのです。

そこで、あえていいことを見つけて、そこに焦点を当てていればストレスも緩和されて、病気も治りやすくなってくるということです。

このようにふだんイヤなことがあったとしても、
”自分のできている所”、もしくは
”いい所探し”
がちゃんとできているのか?

そしてちゃんと
自分にごほうびをあげているのか?

たとえば部長や先生に小言を言われたとしても、
「自分はここができているから、まぁいいか」
というような気分の切り替えができるということ。

これが私がおすすめする、自分自身でできる初歩的な認知療法なのです。

次回は「イメージ・トレーニング前編 〜マイナス・イメージから生まれる悪循環」です。

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